★銭湯からドミールガルテンへ引き継ぐ心

2013年09月25日 14:49

銭湯からドミールガルテンへ引き継ぐ心(2010)

 

戦後の焼け野原からスタートした敗戦国ニッポン。1969年(昭和44年)日本のGDP50兆円を突破、「西独を抜き2位」になったと報じています。「へえ、自由世界2位の経済力でこんな生活かと、あまり実感がわかぬ」(1968年8月12日の朝日新聞天声人語より)。そして、くしくも今年は日本が中国に抜かれて、「GDP世界2位」の看板を42年ぶりに下ろす年になるはずだ。(朝日新聞beより)

 


 

                      

【昭和30年~平成へ】

★昭和30年代、私は小学生でした。娯楽といえばプロレスや相撲で、力道山や初代若乃花・柏戸が大人気でした。近所のお店に設置していた白黒テレビの前には、多くの人が集まっていました。私もその中のひとりでした。まだテレビのある家庭が少なかった時代です。学校で使う消しゴムはいくら消してもなかなか減るものではなく、記憶が定かではありませんが小学6年間+中学3年間1個で十分だったように思います。鉛筆はナイフで削り芯を折らないように使っていました。今のように物が豊富にありませんので大切に使っていた、そういう時代ではなかったかと。少し心情を挿みましたが、まだまだどこかのどかだったのかもしれません。

★昭和40年代から右肩上がりの「高度経済成長」が始まりました。高速道路や新幹線が整備され昭和39年(1964年)には、東京オリンッピックが開催されました。それから6年後昭和45年(1970年)、大阪万国博覧会が開かれました。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで、ひた走りました。

★昭和50年代には「経済成長至上主義」により富めるものがますます富みその結果、私たちの生活も豊かになり、中流階層の意識を持ち始めました。この時は殆んど気づくことなく、環境を変化させ、心をどこかに置き忘れてきたかもしれません。

★平成に入りバブルなるものがはじけ、1995年(平成7年)くしくも阪神淡路大震災後、人の心・もの・お金が少しずつ崩れていったような気がします。環境や貧困問題に直撃されるのは立場の弱い人々です。何もせず放置すればすべての人に及びます。

  21世紀へ

2009年10月、厚生労働省が初めて日本の子どもの相対的貧困率を公表。「子供の7人に1人が貧困状態」とのデータ結果で、子供の学力や学歴が、親の経済状態に大きく左右されています。阿部彩(国立社会保障人口問題研究所国際関係部第二室長)さんは、問題は、学力格差が、義務教育年齢の段階において、しかも、基礎的学力において起こっていることである。少子化の日本で、子どもの7人に1人が自分の潜在能力を発揮できない。子どもが学力を身につけるためには、大前提として医療食料住居、そして親との安定的な生活が確保されなければならない。親のストレスは、子どもにそのまま伝わっている。貧困と格差の解消には、「門戸を平等に解放する」だけでは、格差は解消しない。市場経済によって親の収入に格差が出るのなら、それを解消する底上げが不可欠なのである、と。

社会問題の解決のため事業を起こし、社会の資金を引き寄せて仕組みを変えるという概念をいち早く考え、「社会的起業家」の支援ネットワーク「アショカ」の創設者ビル・ドレイトンさんは、生産性や効率を重んじて利潤を追求する「ビジネス部門」と、教育や公共サービスなどの「社会部門」に橋を架け、税金だけに頼らず、市民が自分の判断で労力や資金を提供できる道筋が必要です。そうなればNPOの若者も食べられるようになります。

さらに、この世で一番パワフルなのは、すぐれたアイデアです。いいアイデアが社会的起業家の手を通じて、社会を変える力に転化する。貧困女性に融資するグラミン銀行の設立者ムハマド・ユヌスさんのノーベル平和賞受賞で、日本でも注目されてきたそれが「社会的起業」です、と。(資料参照)

 

それにもう一つ考えないといけないのは、待ったなしの高齢化です。団塊世代が75歳となる2025年には、75歳以上人口は約2200万人と予測(現在1100万人)されます。つまり、約5人に1人は75歳以上ということになります。子どもの虐待が社会問題になっているように、高齢者の家庭内虐待、認知症や寝たきりなどで長期ケアが必要になるかもしれません。高橋紘士教授【立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科教授】は、”終の住み処“を確保するには、個人の努力に加え、社会制度を相乗的に組み合わせる必要がある。予測される介護需要の激増に対し、施設に依存するのはどう考えても非現実的だ。東京都の最近の予測では、すべての要介護者を特別養護老人ホームに入所させた場合、約3兆円という巨額な整備費用が見込まれる。また、人里離れた施設で老後を送るのは、高齢者の尊厳という点からも不適切だ。これを低所得者の問題として他人事と考える向きも多いが、間違いである。終末期の看取りの場所としても施設や病院の受け入れ能力には限界があり、30万人以上の終末ケア難民が発生するという予測もある。住み慣れた家に住み続けながら介護保険サービスを利用する―。巨大施設はもう時代に合わない。医療や介護が24時間体制で住まいに届けられれば、わざわざ施設や病院で不自由な生活をする必要はない。居住者が孤立しないような地域の人同士の支え合いも不可欠。老後に備えて蓄積した資産を有効に使うとともに、培ってきた人々とのかかわりも大事な資産と考え、活用していく必要がある。自宅に住み続けられない場合は、地域の中の介護付き住宅に住み替えればよい。したがって、今後は多様な世代が共に生活できるような共生型住まいが必要となろう。2010年は、「ケアが必要になっても住み続けられる街」という新たな発想で、介護施設や制度設計を推進すべきだ。さらにそのための質の高いケアを提供できる事業者の育成、人材の確保の努力を今すぐ始めなければならない。と述べておられます。            

 

 

高齢社会にむけて思うこと

                                 

 

私たちの住んでいる神戸市の人口を見てみる前に、日本の人口を見てみましょう(図1)。縄文時代2万人、弥生時代59万人、奈良時代450万人、平安時代680万人、江戸時代初期1200万人、明治時代4300万人、大正時代5900万人、そして昭和45年大阪で万博が開かれた年に1億人を突破しました。中国(13.5億)インド(12.1億)アメリカ(3.1億)インドネシア(2.3億)

図1.日本の人口

 

年齢階級

平成23年3月1日現在

人口推計

【平成23年3月1日現在(概算)】

<総人口>1億2796万人で、前年同月に比べ減少 ▲4万人 (▲0・03%)

【平成22年10月1現在(人口速報を基準とする確定値)】

<総人口>1億2805万6千人で、前年同月に比べ増加 2万6千人(0.02%)

・0~14歳人口は 1696万1千人で、総人口に占める割合は 13.2%

・15~64歳人口は 8151万6千人で、総人口に占める割合は63.7%

・65歳以上人口は 2957万8千人で、総人口に占める割合は 23.1%

 

近代以前の日本人口         (1000人)

年次

人口

年次

人口

縄文早期

20.1

平安(1150)

6,836.9

縄文前期

105.1

慶長(1600)

12,237.0

縄文中期

261.3

享保(1721)

31,278.5

縄文後期

160.3

天明(1786)

30,103.8

弥生

594.9

寛政(1792)

29,869.7

奈良(725)

4,512.3

弘化(1846)

32,297.2

平安(800)

5,506.2

 

 

鬼頭宏『人口から読む日本の歴史』

 

総人口

男女計

総数

12796

6229

6567

0~4歳

543

279

265

5~9

553

283

270

10~14

596

305

290

15~19

605

310

296

20~24

667

341

325

25~29

741

397

362

30~34

817

415

402

35~39

970

491

479

40~44

884

446

438

45~49

807

406

402

50~54

763

381

382

55~59

864

419

427

60~64

1039

508

531

65~69

799

381

418

70~74

705

327

378

75~79

609

267

343

80~84

444

176

269

85歳以上

406

116

290

 

 

 

 

0~14歳

1692

868

825

15~64

8139

4095

4044

65歳以上

2964

1266

1698

75歳以上

1459

558

902

 

人口(単位 万人)

ブラジル(1.9億)パキスタン(1.8億)バングラディシュ(1.6億)ナイジェリア(1.5億)ロシア(1.4億)10位に日本。人口の多い国トップ10です。2050年には、世界の人口が91億人になると国連が予測。しかし我が国は、2005年(平成17年)以降次第に減少に転じ、2055年(平成67年)には8,993万人になると推計されています。

さて、神戸に話を移しましょう。2008年のデータ(図2)ですが、総人口が1,532,308人、その内65歳以上の人口が330,494人です(図3)。全体の21.5%、5人に1人が65歳以上。逆に14歳までの人口は202,654人、ひたひたと高齢化が進んでいることがうかがわれます。

また、1世帯の人数が1~3人と1人暮らしの人々も次第に増加傾向です。経済そして社会からも孤立し将来がまったく見通せなく、ずるずると中高年齢化してしまう人々が増えています。 日本は、四季があり言論などの自由のある素晴らしい国です。ただここ数年の間に、我々があらゆることに無関心になりすぎたのではないでしょうか。政治問題然り、人間関係然り。活動家の湯浅誠さんは、『社会が貧困問題に取り組まなければならないのは「かわいそう」だからではない。貧困は個人の未来はもちろん、社会の活力も奪うからだ。「この人たちを自己責任だと放置していると、日本全体として大きなツケを払うことになりますよ」』それには、公の目的を達成するために行政の働きも重要です。富めるものとそうでないものがどれだけ歩み寄れるか、そろそろ本音で考えなくてはいけない時期に来ているのです。“衣食足りて礼節を知る”という言葉があります。食べることと足を延ばして休む所があれば、少なくとも気持ちが安定し、雇用が守られれば将来設計は立てられる。 (別紙資料参照)。規模は小さくても会社が1社でも増えればと願う。5人しか雇えなくても、約6万7千人とされる女性社長が4倍に増えれば、100万人以上の雇用が創出できる。「会社を育てることは、未来の子どもたちの就職先を作りだすことかな」とは、コラボラボ社長横田響子さん(33歳)。若者が、将来をしっかりと見据え自分たちが安定してくれば、他者にも目や心を向ける寛容な社会につながり、やがて歳とった時またいろんな人々に支えられながら元気で“ピンピンころりん”が望むところです。

日本の総人口に占める65歳以上の割合が22%強となり、国連の定義による「超高齢社会」になっています。国立社会保障・人間問題研究所のデータによると、2010年を基点に、65歳以上の人口は今後5年間で約15%増、10年間で約22%増となる見通しだそうです。現在40代の人々も2020年、2030年には‥‥‥そう遠くない日本の姿です。であれば今から、人と人との繋がりを考えることで全く見えなかったものがみえてくることもきっとあります。貧困(資料参照)と介護は、共通するところがあります。それは以前にも述べたとおり、直撃されるのは立場の弱い人々だからです。歳をとっていくことは、立場が弱くなります。そうでなくても大変な時代に、1人になる確率も高くなる。勿論、しっかり仕事があり何世代の家族と共に暮らしている高齢の方もたくさんいらっしゃるでしょう。しかし、2千万人・3千万人と確実に増えていく中で、人ごとではなく人々の生活が支えられるようになり、「このほうが生きやすいね」と実感したら、どんなに喜ばしいことでしょう。

             

図2.神戸市の推計人口【2008年5月1日現在】

 

年月

面積

(k㎡)

世帯数

人口

区分

総数

平成20年5月

552.80

665,118

1,532,308

726,071

806,234

東灘区

30.35

92,028

307,983

98,108

109,876

灘区

31.40

62,752

129,336

61,145

68,191

中央区

28.49

67,315

120,470

56,500

63,970

兵庫区

14.50

54,315

107,828

51,937

55,891

北区

241.74

85,799

226,512

107,554

118,958

  本区

95.81

56,236

143,856

67,843

76,013

  北神

145.93

29,563

82,656

39,711

42,945

長田区

11.46

47,501

103,403

47,830

54,572

須磨区

30.00

70,114

168,557

77,962

90,595

  本区

12.55

31,292

70,936

32,233

38,702

  北須磨

17.45

38,852

97,622

45,728

51,893

垂水区

26.89

93,998

220,389

103,863

116,520

西区

137.95

91,929

248,834

121,172

137,662

  本区

99.40

63,700

165,250

83,617

83,617

  西神中央

38.56

28,229

83,584

44,045

44,045

 

図3.区別5歳階級別人口統計(2008年4月30日)

 

 

0~14歳

15~64歳

65歳以上

東灘区

30,288

139,350

38,840

灘区

16,131

83,280

28,108

中央区

11,487

84,649

26,347

兵庫区

11,487

69,518

29,553

北区

32,697

149,604

47,301

長田区

11,518

65,178

29,410

須磨区

21,003

110,541

39,350

垂水区

29,578

144,030

52,014

西区

38,121

172,244

39,565

北須磨区(再掲)

12,012

65,843

21,302

全市

202,654

1,017,403

330,494

 

 

図4.人口における洞察

 

     項目

区分   

1世帯の人数(人)

人口の1番多い階級

人口の1番少い階級

東灘区

3.34

35~39歳

75~79歳

灘区

2.06

35~39歳

15~19歳

中央区

1.78

30~34歳

10~14歳

兵庫区

1.98

30~34歳

10~14歳

北区

2.64

35~39歳

75~79歳

長田区

2.17

55~59歳

0~4歳

須磨区

2.40

35~39歳

0~4歳

垂水区

2.34

55~59歳

0~4歳

西区

2.70

55~59歳

75~79歳

図5.兵庫県市町別高齢化率(平成22年2月1日現在)

 

順位

市町名

高齢化率

順位

市町名

高齢化率

順位

市町名

高齢化率

1

香美町

33.4%

15

上郡町

28.4%

29

福崎市

21.9%

2

養父町

33.3%

16

豊岡町

28.3%

30

宝塚市

21.8%

3

佐用町

32.7%

17

宍粟市

28.1%

31

加東市

21.7%

4

新温泉町

32.7%

18

西脇市

27.7%

32

高砂市

21.1%

5

淡路市

32.4%

19

加西市

25.7%

33

播磨町

21.0%

6

朝来市

30.2%

20

川西市

25.1%

34

姫路市

21.0%

7

神河町

29.8%

21

赤穂市

25.1%

35

明石市

20.7%

8

洲本市

28.8%

22

三木市

24.9%

36

加古川市

20.0%

9

相生市

28.8%

23

たつの市

23.3%

37

伊丹市

19.7%

10

多可町

28.8%

24

芦屋市

23.0%

38

太子町

19.4%

11

南あわじ市

28.8%

25

稲美町

22.7%

39

猪名川町

19.0%

12

篠山市

28.7%

26

神戸市

22.6%

40

西宮市

18.7%

13

市川市

28.6%

27

尼崎市

22.4%

41

三田市

15.5%

14

丹波市

28.5%

28

小野市

22.0%

 

 

 

 

 

 


 

<一つの提案>

 全国にあるマンションの総戸数(国土交通省発表‐平成21年度末 ここでいうマンションとは、中高層『3階建て以上』・分譲・共同建で、鉄筋コンクリート、鉄骨鉄筋コンクリート又は、鉄骨造の住宅をいう)は、562万戸(兵庫県は39万883戸)。2005年より人口が減少傾向になり、マンションは飽和状態です。一方要介護認定者数が、全国で480万人、そのうち兵庫県は22万人さらに神戸市は6万4千人です(図6)。

図6.要介護(要支援)認定者数 

 

兵庫県(平成22年1月末現在)

 

要支援1

要支援2

要介護1

要介護2

要介護3

要介護4

要介護5

合計

全国計

596,970

647,144

837,978

838,811

711,916

616,173

549,579

4,798,571

37,734

31,801

38,895

34,431

30,086

25,054

22,570

220,571

第1号*

37,082

30,810

37,881

33,054

29,078

24,233

21,692

213,830

65~74

5,896

5,163

5,200

5,016

3,955

3,039

2,914

31,183

75~

31,186

25,649

32,681

28,038

25,123

21,194

18,778

182,647

第2号*

652

991

1,014

1,377

1,008

821

878

6,741

神戸市(2009年07月末現在)

総数

22,933

11,167

9,237

8,589

6,489

5,967

64,384

                             

*第1号被保険者:65歳以上 第2号被保険者:40歳~65歳未満(要介護認定を受けた方)

 

先に述べたとおり高橋紘士教授が、東京都の予測では、要介護者を特別養護老人ホームに入所させた場合、約3兆円という巨額な整備費用が見込まれる。介護需要の激増に対し、巨大施設に依存するのはどう考えても非現実だ。30万人以上のケア難民が発生するという予測もあると。

★提案その1は、巨額の整備費用を掛けずとも全国市町村に点在するマンションの空室を有効利用する。利用する側も自分の住み慣れた地域の近くで普段通りの生活を送り、医療や介護が24時間体制で届けられる。孤軍奮闘している介護事業者がさらに質の高いケアを提供できる。頭を悩ませていたマンション所有者も安堵する。大規模施設ではなく、比較的小規模のマンションで一棟が他人同士なのに一つの家族のような繋がりを持つ。理想論にならないよう努力が必要。

★提案その2は、資本力のある企業が自ら社会的起業家になり例えば、株主の方の理解を得配当の一部を継続的に個人介護事業者に直接提供する。その事によって企業側のメリットは、社会に貢献する企業の製品を好んで買い、若い世代にとっては、就職を希望し、人材を確保できる。そして何よりも、利用者の費用軽減が見込まれる。介護事業者もいいアイデアを考える。例えば、入所者と事業者が一体となって、近所の方々とおはよう、こんにちはと何気ない日常の声かけを意識的にする。時には、ジャズやゴスペルなどのコンサートを開き地域のみなさんにも集まっていただき共にできるプログラム(お餅つき・小旅行・抽選会など)を考える。半年たち一年たって段々お互いぎこちなさがとれ、近所の方々とも打ち解け、それが生きる力になっていく。そして、双方を見守るのが介護事業者であり、ひとりひとりである。だから企業の力は大きいのである。この他に、関西電力グループ・神戸製鋼・不動産デベッロッパー・病院など名だたる企業・医療関係が介護事業に携わっている。

図7.介護業界売上高TOP10

 

企業名

売上高(億円)

企業名

売上高(億円)

1 ニチイ学館

2,353

6 メデカジャパン

268

2 ベネッセHD

446

7 セントケア・ホールディング

205

3 ツクイ

394

8 ジャパンケアサービスグルー

200

4 セコム

377

9 ワタミ

174

5 メッセージ

319

10 メディカル・ケア・サービス

106

 図8.施設入所に掛る費用

 

 

入居金・一時(入居)金・保証金

月額利用料

居室面積(㎡)

有料老人ホーム(介護付)

500万~4000万

20万~40万

18~80

高齢者向け分譲マンション

200万~500万

15万~35万

18~80

高齢者賃貸住宅

30万~50万

10万~20万

18~35

実際に施設を利用するにはどの程度費用が必要か調べてみた。 あくまでも図8の数値は、新聞の広告、チラシ、インターネットの検索を基に調べた結果ですので多くの施設の一部分にすぎません。唯言えることは老後を看取ってもらうためには、それなりの貯えが必要ということである。40年50年と働き続けた方々に、

何の保証もない国にしてはいけない。だから、年金・各種保険(介護、国民など)制度があるのであろう。100年安心と云われていた年金だが例えば、国民年金は20歳から40年間保険料を未納期間なく納付した場合65歳から1年当たり792,100円(平成19年度額―1ヶ月当たり約66,000円)受け取れる。果たしてこれをどう受け止めるか。しかし、日本の国家財政ひっ迫により受給を70歳からという案もすでに挙がっている。介護保険(2000年に制度開始)給付費も2007年度に6兆円を超え、国民健康保険も高齢者の人口が多くなることにより後期高齢者医療制度(2008年)を導入し75歳以上の方すべて新しい制度の中に独立させる。現役世代の負担を考えるとやむを得ないのかもしれないが、年金生活者にとって大きな負担になろう。

賛否両論あるだろうが、前向きに一生懸命メッセージを発して下さっている孫正義氏湯浅誠氏渡邉美樹氏、こういった影響力のある方々と日々一線で仕事をしている方々と垣根があるなら取っ払って本音で語り合うそんな暖かいが意見はしっかりと発言できる場所が必要。残念ながら今はそんな場所は無いに等しい。有識者の方々、どうか頭を柔らかくし、名もない人々の声を、意見をじっくりと聴いていただきたい。

★提案その3は、その2にも関連するが小学校・中学校の授業の一環として身近にある介護施設に出向き、入所者やデイサービスの方と会話するもよし、散歩するもよし、1時間の授業を自分で考えて行動する。実際に家に帰ったらおじいちゃんやおばあちゃんと暮らしている子供たちは、尚更何かしら感じるはずである。情操教育や道徳で教わるより時には傷つき、悩み、苦しみ、そして喜び他者と共に身をもって体験することが結果、高齢社会へ向かっての人としての生き方を老いも若きも学ぶのではあるまいか。言葉でいうより自分の五臓六腑で感じ取る。それを、一足早く生きている者がフォローするのである。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

【介護施設・事業所】

介護サービス施設・事業所について厚生労働省調査結果に基づき介護保険制度によって介護予防居宅サービス事業所地域密着型介護予防サービス事業所介護予防支援事業所居宅サービス事業所地域密着型サービス事業所居宅介護支援事業所介護保険施設

(図9.)。実に細かく分類されているのに驚いた。この細分化が、きめ細かいサービスに繋がることを期待したい。昔(昭和の頃)は、3世代同居も少なくなく親や祖父母の面倒を看るのは家族の誰かが居たので、そんなに深刻に考えなかったのかもしれない。今は、他人様のお世話になり介護する側もされる側も気持ち良く笑顔でいられる環境が大切。その環境を調えてゆくことが21世紀を豊かに生きる大きな礎になる気がしてならない。

 

図9.事業所数、施設数(平成20年10月1日現在)               全国

 

介護予防サービス

事業所

介護サービス

事業所

施設数

施設数

介護予防居宅サービス事業所

居宅サービス事業所

(訪問系)

 

(訪問系)

 

介護予防訪問介護

20,139

訪問介護

20,885

介護予防訪問入浴介護

1873

訪問入浴介護

2013

介護予防訪問看護ステーション

5414

訪問看護ステーション

5434

(通所系)

 

(通所系)

 

介護予防通所介護

21,710

通所介護

22,366

介護予防通所リハビリテーション

6276

通所リハビリテーション

6426

介護老人保健施設

3363

介護老人保健施設

3438

医療施設

2913

医療施設

2988

(その他)

 

(その他)

 

介護予防短期入所生活介護

6957

短期入所生活介護

7347

介護予防短期入所療養介護

5018

短期入所療養介護

5242

介護老人保健施設

3386

介護老人保健施設

3469

医療施設

1632

医療施設

1773

介護予防特定施設入居者生活介護

2731

特定施設入居者生活介護

2876

介護予防福祉用具貸与

4862

福祉用具貸与

4974

特定介護予防福祉用具販売

5010

特定福祉用具販売

5027

地域密着型介護予防サービス事業所

地域密着型サービス事業所

介護予防認知症対応型通所介護

2870

夜間対応型訪問介護

83

介護予防小規模多機能型居宅介護

1256

認知症対応型通所介護

3139

介護予防認知症対応型共同生活介護

8936

小規模多機能型居宅介護

1557

介護予防支援事業所(地域包括支援センター)

3782

認知症対応型共同生活介護

9292

 

地域密着型特定施設入居者生活介護

91

地域密着型介護老人福祉施設

183

居宅介護支援事業所

28,121

介護保険施設

介護老人福祉施設

6015

介護老人保健施設

3500

介護療養型医療施設

2252

           

 

   仕合わせの仕事がここに    

高齢者の方の笑顔とありがとうの言葉が嬉しくてお仕事を続けている矢野雄士さん(居宅介護支援事業所 訪問介護・自立支援株式会社 憧 代表取締役)。

資料.26の「一般の空室を借りる手もある」。さらに高橋紘士教授の「自宅に住み続けられない場合は、地域の中の介護付き住宅に住みかえればよい」この言葉通り、ドミールガルテンのスペースと矢野さんのスキルと情熱を取り入れ、今まであるようでまだまだ少ない小さくて小回りのきく介護施設がここにあります。今、人口減少・少子化・収入減少などでマンションの空室も目立ち、頭を悩ませている方々が多いと思われます(介護施設だけではなく、保育所などハコものに掛けるコストの削減や、利用する方々の負担軽減に役立てる事も可能です)。このような形で浸透してゆけば、マンションの経営者、介護事業者、介護を受ける方、三方双方行が喜びます。住み慣れた町で、顔なじみの人たちがいる所で会話を交わしたり、ちょっとほっこりするためコーヒ屋さんに入ったり、商店街を散歩したり、今日のお昼あるいは晩御飯何にしようかと市場へ行ったり、日常の何気ないふるまいが生きている証しなのです。そして、マンションに帰れば温かく迎えてくれる矢野さんたちがいます。自分はひとりではないと感じることが、どれだけ生きる力になることでしょう。10年・20年とこの大切な事業を推進するためには、直接関わっている方々だけで考えるのではなく、制度設計(行政など)や社会的起業家の支援とサポートを呼びかけ支え合う地域・社会が三位一体となり協力体制を築き、安定したサービスを安心して続けられる仕事になっていく事こそ大切です。

少子化・高齢化・孤立、人が人として一生を全うし最期をむかえる時、誰かが傍にいて見守られながら……………とおもうのは自然の心の趣きではないでしょうか。支援とボランティアを柱に起ち上がっている志と情熱をもった起業家が、この国をなんとかしようと知恵を出し合い、必要なものを必要なところに届けられるよう道筋をつける努力をしています。これからの時代はますます福祉という答えのない大きなテーマをひとりひとりが一歩を踏み出し考え、支え合い何かが見えてくる事を願い結びとします。

あとがき 

 昭和10年代両親は、一大決心をして広島の田舎から神戸へ出てきたと思います。奉公をしながらお金を貯め、初めに珈琲屋さんそして豆腐屋さん、お風呂屋さんは実に40年という長きにわたって営んでおりました。多分根っからの商売人だったのかもしれません。紆余曲折を経て現在はマンションになっています。人が賑わってこそ人も建物も輝きそして、周りも明るくなるとおもいます。15,6歳だった両親が、初めて都会へ出てきた時は、何も頼る当てもなくどれだけ心細かったことでしょう。勇気を出して切り開いてくれたお蔭で今の私があります。母に尋ねたことがあります。「どうしたら、仕事が安定して順調にいくんやろ」母、「努力じゃっ」私、「してるつもりやけど」母、「まだまだ努力が足りんのぉ」昨日の事のように思い出されます。自分の為だけでなく、人と共に生きなさいと云うことだったような気がします。ありがとうございました。

 

参考文

朝日新聞(be)              一面フロントランナーより

☆ビル・ドレイトン氏(社会的起業家の支援ネットワーク「アショカ」の創設者)

                ☆横田響子姉(コラボラボ社長)

週間ダイヤモンド      2010 総予測より(12/26・1/2)新年合併特大号 

☆阿部彩姉(国立社会保障人口問題研究所国際関係部第二室長)

☆高橋紘士教授(立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科教授)

  

参考資料 

 日本経済新聞       2005年8/26, 2007年8/3, 2010年5/16 

 朝日新聞         多数

 産経新聞         2009年11月22日付

 日刊スポーツ       2010年4/5・5/15 

 Webページ(yahooより)  多数        

 宇宙を貫く「ありがとう」  小林正観(潜在能力研究家)

 の法則  

 

 

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2011年5月17日(改定)

2010年5月3日

筆者:長浜民子

 

 

 

 

資  料

 

 

 

1.人口減少・・・・・・・webより(国立社会保障・人口問題研究所)      14-20             朝日新聞 日本経済新聞

日本経済新聞

朝日新聞

 

2.社会的起業・・・・・・webより (YAHOOニュース)           21-25

             日本経済新聞

 

 

3.貧困・・・・・・・・・朝日新聞                     26-28

産経新聞

                         日刊スポーツ

 

 

4.老後難民予備軍・・・・webより(YAHOOニュース)              29

 

 

 

 

5.宇宙を貫く・・・・・・小林正観                                         30-31